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DATE: 2015/07/25(土)   CATEGORY: 未分類
夕日に染まる海沿いの町
少し前の話です。

友達と四人で車で、日本海にでかけました。午後早くに出発し、予約していた民宿に到着したのが夕方のことでした。車を民宿のガレージに停め、簡単な夕食をすませてから、私たちは夕日に染まる海沿いの町を散策にでかけました。

都会からやってきた私たちには、見るものすべてが心に響いてきて、都会生活でぴりぴりした神経も、時間とともに和んでくるのが実感できました。

黒々とした岬のむこうに、最後の夕日にどろりとした赤味をおびる海面がのぞき、私たちはしばらく言葉をなくしてその光景に見とれていました。

木造家屋が並ぶなかを、ゆっくり歩いていると、どこかから歌声らしいものが聞こえてきました。「盆踊り」とひとりがいいました。

私たちは興味にかられて、歌声のきこえるほうに歩きだしました。都会にも、もちろん盆踊りはあります。


しかしこの山と海にはさまれたせまい町なかで見る盆踊りというものがどんなものかを知りたくて、誰もが足を速めました。

少し道を上がったところに、石垣がみえ、その石垣の上の広場にくまれた矢倉から、四方に提灯がつるされ、ぼちぼちたそがれが垂れはじめた中にその提灯の赤い灯りが、集まりはじめた踊り手たちをぼんやり照らし出しています。

やはりこういう情景は、ビルとマンションのあいだでおこなわれる都会の盆踊りでは、とうてい味わえるものでぱないでしょう。

私たちは石垣から続く石段の上に並んで座り、そろそろ動きはじめた人々の輪に目をこらしました。

浴衣姿の人もいれば、普段着の人もいます。手にうちわをもち、踊りにあわせてそのそのうちわを振る様子は、どこか厳かでさえあります。

矢倉の上からきこえる音頭は人の声かと最初は思っていましたが、どうもテープかCDのようです。

それでも、聞いているとなにかしら殷々と耳に響いてくるのは、あたりの自然に密着した風景と、昔ながらの踊りに興じる人々がかもしだす、盆踊り本来の静粛な雰囲気のせいでしょうか。

私たちは盆踊りが終わるまでのあいだ、じっと石段に腰をおろしていました。
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